Town Factory Blog

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日野宿本陣


  新選組愛好家の方々から日野宿本陣がリニューアルオープンしたとのメールをいただいた。改修の内容が以前のイメージとは違うとのことで、気になっている項目を箇条書きにして送ってくれた。僕自身どのように改修されたか興味があったので本陣を再び訪れてみた。


 リニューアルされた本陣では前回見られなかった茶の間、仏間、納戸(タチカワオンライン「日野宿本陣」に間取り図が出ています。)が公開された。ここの三部屋は佐藤家の生活空間だった場所なので部屋的には特に凝った装飾などはないが、納戸の長押の釘隠しが「ウサギ」の形をしていたのが印象的だった。
 昔の民家では寝室のことを納戸と呼んでいたので、ここでも寝室の意味での納戸だったと推測すると、ウサギは月で不老不死の薬を搗く動物とされているので、長寿を願って寝室にウサギの釘隠しを採用したのかも。。。控えの間にはコウモリが着いていたり、この建物は表具が実に魅力的だ。

 さて気になる新選組ファンのからの項目だが、確かに違和感があった。以下にその項目と私の意見、さらに日野市教育委員会のお話しを伺うこともできたので、その回答も記した。

【1】門と塀が塗装してありません(白木のまま)
痛んでいる部分を新材に取り替えた時に、古色塗(松煙などで古く見えるように塗ること)にする事もありますが、門などの外廻りは放っておけば半年もしないで日焼けして色が着くので、白木のまま色を着けないこともよくあります。もともと門が着色していなかったので、あえて色を入れなかったと考えられます。新しい材料は台湾桧です。扉の小口(断面部分)に鼻を当てて臭いを嗅いでみてください。桧のいい香りがします。
また以前はなかった門の屋根ですが、教育委員会の話では改修前の門は火災にあった長屋門の転用材で造られていたものなので、門の形態としては文化財的な価値は低く、長屋門で使われていた欅の柱を保護するために今回の改修で屋根をつけた(復元ではなく保護)とのことです。


【2】襖や建具が「複製」+「青畳」で雰囲気台無しになっています
昔の襖の柄をコピーして建具に貼ってありました(インクジェットプリント?)。引手も量販品の安物が取り付いていて、私もビックリしました。和室は建具によって間仕切られていることが多いので、どのような建具を使うかでその部屋の雰囲気が決まります。床の間の付く上質な空間には、その質に見合った建具を設えるわけです。レプリカとの解説がどこにもないので、複製だと気が付いてしまった見学者はさぞかしがっかりすることでしょう。
教育委員会の話では襖紙を調査するために、剥がしたとのことでした。現在の襖はあくまでも一時的な代用品とのことなので一安心ですが、その旨、説明をしてもらわないと見学者には理解できないと思いました。ちょっと不親切です。
畳に関しては、張り替えた当初は畳表が青いのは仕方がないと思われます。門の白木同様、次第に古い畳と馴染んでいくでしょう。

【3】掲示されていた額や書もありません。
   歳三の昼寝の部屋、鉄之助の部屋の説明も無視されています。

新選組フェスタの時に見学したときは、パネルや額が沢山展示されていた記憶が僕にもあります。今回は「日野市指定有形文化財・日野宿本陣」としてリニューアルオープンしたので展示の主体が建物になったようです。新選組ファンの方には残念ですが、パネル類が少なくなった分、建物を見に来た人には見やすい空間になったと思います。

【4】控えの間が以前よりも暗くなりました。
控えの間の縁側のガラス戸になんとなく立てかけてある障子は私も変だと思いました。
教育委員会の話では宮崎家の時代にそうしてあった(物置場のように使われていた)ので、現在もそれに習っているとのことでした。
日野宿本陣に文化財的価値をおいているのなら、宮崎家ではなく佐藤家の時代に合わせるべきだと思いますが、いずれにしても不要な障子があるために控えの間が暗い部屋になっていました。


「日野市指定有形文化財日野宿本陣 文化財調査報告書/2004年3月 日野市教育委員会」にこの建物の文化財的な価値について詳細に記述されていますが、脇本陣建築としての歴史的価値に重点を置いているのが読み取れます。この報告書は教育委員会の手違いで日野市政図書館の蔵書に入っていませんでしたが、報告書の閲覧を希望したので、現在は誰でも見ることができるようになっています。(報告書によっては所有者のプライバシーの保護のために非公開のものもありますが、これは公開書類です)。

日野宿本陣の敷地内にある日野市観光協会もこの報告書の存在を知らない状況だったので、建物よりも新選組の史実に重きをおいている印象を受けました。展示現場と報告書では文化財的価値の捉え方に食い違いがあるようです。文化財調査報告書は指定された文化財を保存・活用するための貴重な資料だと思いますが、風通しの悪さがちょっと気になりました。

私個人としては、開発の進む日野市で江戸時代の上質な建物が奇跡的に残っていたこと、そして文化財として保存されたことに大きな意義があると思っています。日野市の財産として、日本の伝統文化を享受できる場所となることを願っています。

■参考
・日野宿叢書 第一冊
 日野市指定有形文化財日野宿本陣
 宮崎家住宅(旧佐藤彦五郎旧宅)文化財調査報告書
 2004年3月 日野市教育委員会
・日野宿叢書 第二冊
 図録 日野宿本陣 佐藤彦五郎と新選組 
 2004年3月 日野市新選組まちおこし室
日野宿本陣:日野市観光協会
日野宿本陣についての要望 人気投票:日野宿本陣文書検討会
  1. 2005/04/29(金)|
  2. 建築|
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  4. コメント:2
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コメント

勉強会

副長助犬兼監察 MUNN 様
先日はありがとうございました。
報告書の勉強会、参加したいのですが残念ながら29日は都合がつきません。またお誘い下さいませ。
  1. 2005/05/23(月) 22:33:26 |
  2. URL |
  3. サカイ #qmlWd.C.
  4. [ 編集]

日野宿j本陣

酒井さま、こんにちは、大変お世話になります。4月3日に改装オ−プンした日野宿本陣について、日野市教育委員会から発刊された日野市有形文化財調査報告書を使って5月29日(日)に勉強会を開催いたします。

佐藤彦五郎日記も5月末には活字化されますので併せて解読の予定です。こちらのリポートも参考にさせて頂きます。
  1. 2005/05/23(月) 18:01:14 |
  2. URL |
  3. 副長助犬兼監察 MUNN #HVDXY222
  4. [ 編集]

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